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先月、父が死亡しました。
父は、生前、ある程度の財産を持っていたようですが詳細は良く分かりません。
他に相続人は姉と弟がいます。
今後の手続の流れについて教えてください。

遺言書の有無の確認後、存在すれば遺言執行者によって遺産分配手続がなされ、存在しな い場合には法定相続分を基本に相続人間で遺産を分配することになります

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被相続人が亡くなった場合、速やかに遺言書が存在するか否かを確認してみましょう。
公正証書遺言(民法 969 条)であれば最寄りの公証人役場を通じて全国の公証人役場に公正証書遺言が存在するのか確認でき、保管されている公証人役場から引き続いて謄本を取得できることもできます。
自筆証書遺言については、自宅の金庫や銀行の貸金庫、また法務局により保管されていることが想定されます。
被相続人から聞いた話を想定しつつ、その有無や所在について確認してみましょう。

①公正証書遺言が存在する場合
謄本を取得した後、速やかに内容を確認しましょう。
執行者が相続人であれば速やかに遺言執行手続に着手するように申入れ、弁護士等の第三者であれば、被相続人が亡くなったことについて伝えて着手してもらいましょう。
連絡を受けた執行人候補者は、応諾することを前提に手続に着手することになります。
なお、相続人は、遺言執行手続中、手続の進捗具合について執行者に適宜確認できます(民法 1012 条2項、646 条)。
他方、執行者も、進捗の度合い(具体的に遺産目録の整理や執行手続が具体的にどの程度進んでいるのか等)について、相続人間に通知する義務があります。

②自筆証書遺言が存在する場合
自宅保管等により遺言書が見つかった場合、速やかに被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に検認手続を申し立てましょう。当然ですが、勝手に開封しないように注意が必要です。
管轄がどこにあるかについては、裁判所のホームページから確認できます。
検認手続の申立後、裁判所から各相続人に対し、検認手続当日に参加するかどうかについて確認されます。
検認手続当日は、裁判官が保管状態や開封状況、記載内容等について細かく確認し、記録に残します。また参加者から意見を聞くこともあります。
なお、検認手続は、遺言書の有効性を確認する手続ではない点は注意を要します。言い換えますと、内容に不服がある相続人から、後に遺言書の有効性について争われることがあります。
次に、自筆証書遺言が法務局により保管されている場合には検認手続は不要となります。
以上のように必要となる手続を経た後に、公正証書遺言の場合と同じく、引き続いて遺言執行者により遺産の分配手続がなされます。

③遺言書が発見できなかった場合
遺言書が見つからない場合、相続人間で遺産の分配をどのように進めるかについて話し合われることになります。
相続人ごとに法定相続割合が定められておりますので、その割合に則って分配することが多いですが、相続人間で協議した上で特定の相続人に多く分配させることもあります。
現金や預貯金など、相続人の割合に応じて分配しやすいものもありますが、他方、不動産のように固定資産評価額など客観的な基準額があるものの、誰に相続させるのが妥当かについて、判断が割れてしまうこともあります。
いずれにせよ、相続人間で被相続人の遺産をどのように分配するかについてよく話し合う必要があると言えるでしょう。

よくある質問「遺留分とは何ですか?
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