疎遠だった父が亡くなったと知ったが、相続を放棄するには?!

ご相談者様H様(40代・女性)
職業:無職
内容疎遠だった父が亡くなったと知った。父には負債があるようなので、相続放棄がしたい。

ご相談までの流れ

私が幼い時に両親が離婚し、母に引き取られてから交流のなかった父が亡くなったことを知った。
父には遺産として目ぼしいものがほとんど無く、負債を抱えていることもあって、相続放棄の申述をしたい。

父の死亡時から3ヶ月を経過しているが、相続放棄は可能か?

虎ノ門法律事務所での対応・結果

本件は、相続人が被相続人と疎遠であったケースである。

相談者が、実際に父親が死亡したことを知った日を確認したところ、その日から3ヶ月は経過していなかった。
そこで、相談者が父親の死亡を知るに至った経緯を詳細に説明した書面を作成した。

また、相続放棄の申述に必要な資料を速やかに収集し、これらを裁判所に提出した結果、問題なく相続放棄の申述は受理された。

弁護士からのコメント

民法915条1項本文によれば、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内は相続放棄が可能です。この3ヶ月の期間を「熟慮期間」といいます。

「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは通常、被相続人死亡の当日か、死亡通知を受け取った日ですので、この日から「熟慮期間」はスタートします。3ヶ月の「熟慮期間」が経過してしまった場合、相続放棄をすることはできなくなるのが原則です。

もっとも、判例によれば、特別な事情があるときは、例外的に「熟慮期間」の起算点が「相続財産の全部または一部の存在を相続人が認識したとき」まで繰り延べられ、相続放棄が認められる扱いがされています。
被相続人が死亡して3ヶ月が経過してしまったからといって諦めることはありません。

大事なことは、相続放棄申述書において、特別な事情が存在していることを家庭裁判所に認めてもらえるように説明することです。

当事務所は、これまで蓄積してきたノウハウを活かして、裁判所の理解を得られる事情説明書を作成することが可能です。3ヶ月経過後の相続放棄は、是非当事務所にご依頼ください。

参考(最高裁判決昭和59年4月27日)

相続人が消極的財産(負債)のみならず積極的財産を含め、相続財産については全く知らなかった事案

相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて、その相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって、相続人において上記のように信じたことについて相当な理由があると認められるときには、相続放棄の熟慮期間は相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時、または通常これを認識しうるべき時から起算すべきものである。
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