遺産調査の実施で、相続放棄で多額の借金を回避

ご相談者様Aさん
被相続人との関係:親
内容遺産調査

ご相談までの流れ

長い間,音信不通の息子さんが、死亡したとの連絡を受けた方からのご相談です。
Aさんは、息子さんが住んでいる地域とは別の地域に住まわれていましたが、長年、交流一切が無い状況でした。

そうしたところ、Aさんは警察より息子さんが亡くなった旨の突然の連絡を受け取ることになりました。
何年か前に帰郷した頃、当時、外国の方と結婚しているものの子供がいないことや、事業で生計を立てていることを聞いたことがあった程度でした。

死亡時点の、息子さんの生活状況や家族構成等その一切が不明の状況だったこともあって、相続するかそれとも遺産を放棄するための手続を行うのか判断するために、迅速に息子さんの遺産の状況をする必要がありました。

虎ノ門法律経済事務所での対応・結果

そこで、当事務所はAさんと相談し、遺産調査を受任することにしました。
残念ながら、息子さんの奥様は非協力的でしたので、遺品等を確認しながら、関係する取引先や顧問税理士への問合せ、多数の借入先や保険関係やの調査等を行っていく必要がありました。

しかしながら、確認する対象の数が数十にも及ぶほど膨大だったため、相続放棄申述期間の3ヶ月に間に合いそうにありませんでした。
そこで、家庭裁判所に対し、申述期間の延長の申立てを行った調査を続行しました。

あらかたの関係機関に対する調査を行った段階で,息子さんは事業の関係で多額の借入れをしたまま返済できていないことが判明したので、Aさんにそのことを報告し、結果としてAさんは負の遺産を引き継ぐことなく相続放棄をするに至りました。


今回のAさんの場合、負の遺産があることを懸念して弁護士に相談した結果、無事に借金を背負うことを回避できた事案でした。
関係機関が非常に多数だったのみならず、生命保険の加入の有無の確認のための弁護士会照会の行使や、息子さんの奥様との交渉等、幅広い調査等を行う必要があったことから、Aさんがご自身で諸々の手続をされていれば非常に困難を伴ったと思われます。

他方、相続放棄申述の手続は,期間が限られているため、漫然と対応すれば、期間を超過するリスクがありました。
そのため、調査をご依頼いただくことで、納得いく判断をしていただけたのではないかと思います。

遺産の調査を行う上で関係諸機関に対する問合せ等を行う必要があり、上述の弁護士会照会や職務上請求等、弁護士でしか出来ない事柄も散見します。
また、遺産の有無が確認できても、相続放棄するのか、相続した上でその他の相続人と遺産分割を行うのかを検討する問題は多岐に亘ります。
問題点の有無や整理等を行うためにも、まずは当事務所まで一度ご相談いただければ幸いです。
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