20/7/10
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弁護士の村木です。

私が担当していた民事裁判が、先日、判決以外の方法で終了しました。

当事者間で話合いがまとまらない場合、司法の場、すなわち訴訟で決着を付けることになります。

訴訟が終了する事由としては、法律で複数定められています。
裁判所の解説ページ「訴訟の終了」をご確認ください。 

まず代表的なのは、「判決」です。
当事者の言い分や提出された証拠を踏まえ、裁判所が請求を認めるか否かを判断します。

判決以外の終了原因として、その他いくつかあります。
その一つが「和解」です。
訴訟では、原告と被告とがお互いが書面で主張を行い、裁判が進むにつれ徐々に対立ポイントが明確化していきます。
裁判所は、争点が明確化した段階で当事者に和解を試みることがあります(民事訴訟法89条)。
タイミングとしては尋問の前と後が多い印象です。
ある程度、争点が整理された後に裁判所から示されることから、当事者も納得して受け入れることができます(もちろん、受け入れるか否かは、事件や当事者の考えにもよります)。

次に、「訴えの取下げ(民事訴訟法261条1項)」が挙げられます。
例えば、裁判外で当事者が和解したような場合、原告が訴訟を維持する必要がなくなったとして、取り下げることがあります(なお、第1回期日が行われた後に取り下げる場合には、被告の同意が必要となります(民事訴訟法261条2項本文))。

その他の終了事由として、「請求の放棄または認諾(民事訴訟法266条1項)」があります。
請求の放棄とは、原告が、自らの訴訟上の請求について理由が無いことを認めて訴訟を終わらせることで、対して請求の認諾とは、被告が、原告の請求についてその理由があることを認めて訴訟を終わらせることです。
請求の放棄・認諾は、要は白旗を揚げることですので、なかなかお目にかかることはありません。

そうしたところ、今回、相手方代理人によって請求の放棄がなされ、裁判が終了しました。
当日、尋問を予定していたのですが、急遽、請求が放棄され、訴訟が終了しました。

どのような理由で請求を放棄するに至ったのか、勿論分かりません。
しかし、これまで1年近く続いていた訴訟を終える以上、原告と代理人とで色々な議論を経た上で結論に至ったのだろうと思います。
いずれにせよ、依頼者にとって、納得できる形で決着がついたのなら、良かったと思います。
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