弁護士の村木です。

昨日,地元の自治会の定期総会がありました。
年に一度,自治会総会があるのですが,私が「会計監査」という役員に就任していることもあって,自治会役員は総会に向けて色々と準備に取り組んできました。
生憎の雨と言うこともあって,参加者は昨年の半分くらいで非常に残念でしたが,会長や事務局の手腕もあって,滞りなく手続自体は終わりました。

ところで,自治会とはそもそも何でしょうか?

少し調べてみると,「市町村等の一定区域内に住所を有する人たちが住民自治や地域交流等を目的に作る団体」と定義付けられているようです。
また「任意加入団体」ともされています。
自治会がどのような活動を行っているかについては,地域ごとや自治体ごとに非常にまちまちですが,多いのは町内交流や防犯パトロール,地域の祭り等でしょうか。
また,入会料や会費の発生の有無についても自治会ごとで異なっており,私の地元の自治会は会費が発生せず,資源ごみ回収や市からの助成金を用いて組織運営を行います(言い換えると,その範囲の活動しかできないともいえますが)。

昨今,自治会のみならず,PTAなどの加入が義務か否かという問題が,メディアを中心にクローズアップされることが多いように感じます。
上述しましたが,自治会やPTA等は,任意加入団体で参加が強制される強制加入団体ではありません。
良く,PTAが任意加入団体に関わらず,行事参加や業務割振りを強制され,本業の仕事に支障が出るといった話も聞きます。
他方,任意加入団体であることから,加入しないことを選択する人が増えつつあるとも聞きます。

実際,昨日の自治会総会でも,残念ながら,参加者は多くなかったことは前述の通りであり,総会後の反省会では,いかに自治会に興味を持ってもらうのかということでした。

私の個人的な考えとしては,自治会は任意団体ではあるけれど,できる範囲のイベントには参加してみても良いのではないかと言うものです。
各地域における住民交流そのものが昔よりはかなり希薄になってしまっている現代社会だからこそ,住んでいる地域で,どのような取り組みが行われていたり,問題点を抱えているかについて良く知ることは大切なことだと思います。
現在,私の住んでいる地域は,他の地域と同様,超高齢の波が押し寄せており,高齢の方が単身で住んでおり,ゴミ出しにも苦労している人がいることや,空き家が増えており防犯の面で問題が出てきていること等,時代を反映した問題も多くあります。
実際,行政による公的サービスを提供すれば良いと考える人も多くいるとは思いますが,他方,十分な公的サービスの提供が受けられるのかと言う問題がありますし,結局,最後には「公助」や「自助」が重要だと思います。
困った時に地域の人の結束が強ければ強いほど,お互いに助け合うことも可能でしょう。
しかし,いざ困った時に,お隣さんの顔も知らなければ,何かお願いすることも難しいでしょう。
そう言った意味で,自治会は確かに任意の団体ではあるけれど,活動に少しでも参加する人が増えること自体,結局,自身が住んでいる地域貢献にも繋がり,自分やその家族にも還元することにつながるものかもしれません。
言い換えると,町自体の活性に繋がると言うことです。

他方,任意加入団体だからこそ,できる範囲での参加を心がけるべきであって,決して強制される必要もないと思います。
例えば,「役員に選任されてしまったことで,任期期間中はがむしゃらに自治会活動は行うけれど,任期終了後には一切興味を持たない」,では残念に思えます。
大切なことは,まずは「出来る範囲で参加してみること」「参加していない人に参加を強制しないこと」が自治会の維持につながるのだと思います。
参加者が減ることは自治会が行える範囲が減ってしまうことを意識してみるのも有意義でしょう。

以上が,自治会活動を通じ,私なりに感じたことでした。

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